2010年11月18日

子供のためのイスラームの礼儀作法(17)学ぶこと

ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)。



みなさん、預言者ムハンマドに一番最初に下されたクルアーンのアーヤ(節)は何だったか知っていますか?
(ヒント:その節はイスラームにおいて重要なことについて述べられています。)

私たちがアッラーを念じて毎日必ず5回は行うサラー(礼拝)でしょうか?
ついこの前終わったばかりのラマダーン月のサウム(斎戒)でしょうか?
あるいは、ハッジ(大巡礼)でしょうか?

それでは預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)に最初に下されたクルアーンのアーヤを紹介しましょう。

至高のアッラーは仰られました:
『読め、「創造なされる御方、あなたの主の御名において。一凝血から、人間を創られた。」読め、「あなたの主は、最高の尊貴であられ、筆によって(書くことを)教えられた御方。人間に未知なることを教えられた御方である。」』(96:1-5)

至高のアッラーが預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)に最初に命じたことは「読め」ということだったのです。そして至高のアッラーは知識を求めることを奨励し、学者たちの階位を上げました。

『言え、知る者たちと無知な者たちは同等であるのか。』(29:9)
『アッラーは、あなた方の内で信仰する者たちと知識を与えられた者の位階を上げられる。アッラーはあなた方が行うことを実によく通暁されておられる。』(58:11)

また、次のようにも仰られました:
『アッラーのしもべたちのうち、学者たちこそがかれを畏れる。』(35:28)

イスラームは人々に学ぶことを奨励しただけではなく、それを信者たち全員の義務であるとしました。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「知識を求めることは全ムスリムの義務である。」(イブン・マージャの伝承)

また学ぶことは天国を手に入れるための手段であるともされました。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「知識を求める道を歩む者には、アッラーが天国への道を歩ませて下さる。」(ムスリムの伝承)

「学ぶこと」に関する次のようなハディースも伝承されています。

フマイド・ブン・アブドッラフマーンはムアーウィヤ(彼にアッラーのご満悦あれ)が次のように言うのを聞きました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:“アッラーは誰かによきものをお望みになる時、彼の宗教理解を深められる。アッラーこそが全てをお与えになられるお方であり、私はその分配役である。そしてこのウンマ(イスラーム共同体)は、彼らに対する者たちに勝利し続けるであろう。アッラーのご命令がやって来るまで、彼らは勝利しているのだ。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承)

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「あなた方の内で最善の者は、クルアーンを学び、そしてそれを教える者である。」(アル=ブハーリーの伝承)

さてここでいう「知識」や「学ぶこと」というのは特にクルアーンやハディースなどを中心としたイスラーム諸学のことだけではありません。もちろん私たちムスリムは特にイスラームの信条やその他のイスラーム諸学を優先的に学ぶべきですが、その他の学問もそれが私たち自身や社会に善いものをもたらすものであれば学ぶことが奨励されています。



私たちに役立つ様々な知識を学ぶ上でも必要なマナーがありますので、以下に紹介していきます。

1−ニーヤを正しましょう。

学ぶことにおけるニーヤを正しましょう。アッラーのために、アッラーのしもべたちや社会に役立つように学ぶのでしょうか?それともテストで良い点を取るため、あるいは人に自慢したり褒められたいから学ぶのでしょうか?

2−真摯な気持ちで学びましょう。

学んだことを役立てるためにも、時間を無駄にすることなく、より多く・深く学ぶように努力しましょう。また学んだことを忘れないように努力しましょう。

3−アッラーと預言者の命令に反することを避けましょう。

アッラーと預言者の命令に反する行為はより良い知識の獲得の邪魔となります。

アッシャーフィイー(彼にアッラーのお慈悲がありますように)が残した有名な詩に学びに関する重要な条件が含まれていますので紹介します。

私はワキーゥ(アッシャーフィイーの師)に自分の暗記力の悪さについて不満を述べた。
すると彼は私にマアースィー(アッラーの命令に反する様々な行為)を避けるよう導いて下さった。

そして私に教えてくださった。「知識は光であり、
アッラーの光はアースィー(マアースィーを行う者)には贈られないのだ。」と。

学ぶこと(勉強や暗記)が苦手・・・と自分や周りに言い訳をする前に、まず自分の行動を振り返ってみましょう。アッラーとその使徒が禁じたことをしてはいないでしょうか??

4−分からないことは納得できるまで質問しましょう。

5−学ぶ場所には余裕をもって着くようにしましょう。

6−謙虚な気持ちで学びましょう。

また、有益な知識を与えてくれる人には、たとえその人が自分よりも年下であっても敬意をもって接しましょう。

7−モスクやその他の機関における学びの機会には積極的に参加しましょう。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ
『幼児期の子供の教育におけるムスリムの父親の責任』アドナーン・ハサン・サーリフ・バーハーリス
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2010年11月17日

子供のためのイスラームの礼儀作法(16)グスル

ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)。

私たちは自分の健康管理に関して責任があります。
それは私たちの体が至高のアッラーから与えられた大切な預かり物だからです。
健康を維持するための努力としては適度な運動やイスラームにおいて合法である新鮮な飲食物を適度に口にすることの他、清潔さに気を配ることも挙げられます。

イスラームは私たちが人生において直面するあらゆる出来事や状況を重視し、私たちの体を清潔にすることに関してもおろそかにすることはありませんでした。

アッラーの使徒は仰られました:「清潔さは信仰の半分である…」(ムスリムの伝承)

至高のアッラーは仰られました:
『そこには自らを清めることを愛する男たちがいる。そしてアッラーは、よく自らを清める者を愛で給われるのだ。』(9:108)

『…アッラーは実に(罪から)よく悔悟する者たちと、(汚れから)よく心身を清める者たちを愛でられる。』(2:222)

定められたニーヤと方法において、全身に清浄な水を行き渡らせることを「グスル」といいます。
グスルは清潔さと清浄さの宗教である、イスラームの美点の1つです。

グスルをすることによって私たちは様々な利益を得ることができます。
グスルはイバーダ(崇拝行為)の1つですから、それによってアッラーのご満悦を得られます。体を洗うことによって病気の原因となる細菌から体を守り、体臭を消し、人々の好感を上げます。
また天使たちも良い香りを好み、悪い臭いを嫌います。

預言者は、ニンニクとネギの臭いをさせてモスクに来ることを禁じたハディースで仰られ
ました:「まことに天使たちは、人間が害を受けるものから害を受ける。」(アンナサーイー
の伝承)

また体をきれいにすることによって、体を活性化させ、だるさを遠ざけます。

グスルを行わなければならないのは次のような時です。
―快感を伴って精液が出た時、及び性交。
―月経が終わった時。
―出産後の悪露が終わった時。
―ムスリムが死んだ時。
―他宗教からイスラームへと改宗した時。

グスルのやり方
ニーヤを行い、体のすみずみまで水で洗います。このさい、すべての皮膚、体毛に水が行
き届くようにします。

また、グスルを行う前に手をあらうこと、イスティンジャーを行うこと、ウドゥーをする
こと、髪をぬらし3回髪を洗う、右半身それから左半身の順にからだを洗うこと、体を洗
うときにきちんと皮膚をこすること、からだのしわが・肉がたるんでいるところはきちん
とそのしわを伸ばして洗うこと、ウドゥーと同様にそれぞれ3回づつ洗うことが好ましい
といわれています。

以下は、グスルや入浴する時の礼儀作法です。

1−服を脱ぐ時にはバスマラを唱えましょう。

服を脱ぐ時には「ビスミッラー」と言いましょう。
そう言う事によってジンたちの目から自分のアウラを隠す事ができます。

2−他の人の目からアウラを隠しましょう。

ムスリムは他人の前で、アウラが見える状態のままグスルすることができません。
(夫婦間に関しては例外的に許されます。)

至高なるアッラーは仰られました:『アーダムの子ら(人類)よ、われら(アッラーのこと)はあなた方に、あなた方が(シャイターンの策略によって人類の祖アーダムとハウワーが露わにされたところの)恥部を覆うための衣服と着飾るための衣服を授けた。そしてタクワー(篤信)という衣こそは最上のもの。これ(アッラーが人類に衣服を与えられたこと)こそは、彼らがそれによって教示を受けるであろうアッラーのみしるしの1つなのである。』(7:26)

3−自分のアウラと他の人のアウラを見ないようにしましょう。

至高なるアッラーは仰られました:『信者たちに言え。「彼らの視線を低くし、貞潔を守れ。それは彼らのために最も善いものである。アッラーは彼らの行うことを熟知なされる。』(24:30)

4−親が幼少の子供に教える場合を除いては、自分一人でグスルあるいは入浴するようにしましょう。

グスルや入浴時に限らず、親子・兄弟・姉妹間であれ、自分のアウラを他の人に見せること、また他の人のアウラを見ることは基本的に禁じられています。

5−グスル・入浴は黙って静かに行い、その間は他の人と話したり、ズィクルやクルアーンを口に出して読まないようにしましょう。

6−食後すぐにグスル・入浴することは控えましょう。

これは口にした物の消化に良くないからです。

7−服を脱いだ時には死や来世に思いを馳せるよう心がけましょう。

8−自分のアウラが見られたり、他の人のアウラが見えてしまうような場でのグスルや入浴は避けましょう。

9−グスルを行わなければならない状態になった時は、早めにグスルを行い、後回しにしないようにしましょう。

私たちは、いつ自分たちに死が訪れるか分かりません。義務のグスルは後回しにしないようにしましょう。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ
『幼児期の子供の教育におけるムスリムの父親の責任』アドナーン・ハサン・サーリフ・バーハーリス





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子供のためのイスラームの礼儀作法(15)睡眠



ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)。

私たちが毎日、1日の最後に行う行為はなんでしょうか?
それは「睡眠」です。

睡眠はアッラーの偉大さとお力を、また人間の弱さを示すアッラーの御しるしの1つです。
アッラーのお慈悲と恩恵により、私たちは「睡眠」という行為を通じて体と精神を休息させ、翌日の活動の原動力を得ることができるのです。

至高のアッラーは仰られました:
『かれは慈悲のこころから、夜と昼をあなた方のために定められ、そこであなた方は休み、かれの恩典を求めることができる。あなた方は必ず感謝するだろう。』(28:73)

『また休息のため、あなた方の睡眠を定め、夜を覆いとし、昼を生計の手段として定めた。』(78:9-11)

『アッラー、かれの他に神はなく、永生に自存される御方。仮眠も熟睡も、かれをとらえることは出来ない。天にあり地にある全てのものは、かれのものである。かれのお許しなくして、誰がかれの御許で執り成すことが出来ようか。かれは(人々の)以前のことも以後のことをも知っておられる。かれの御意に適ったことの他、彼らはかれの御知識に就いて、何も会得するところはないのである。かれの玉座は、全ての天と地を覆って広がり、この2つを守って、疲れも覚えられない。かれは至高にして至大であられる。』(2:255)

また私たちの眠っている時の状態は死の状態に似ています。
感覚は麻痺し、意識は失われます。
しかし睡眠時はアッラーただそのお方のお力により、私たちの心臓や肺その他の器官は働き続けるのです。
私たちが毎日経験する「睡眠(一時的な死)」と「目覚め(再生)」は私たちに審判の日のバアス(再生)を思い起こさせます。
そのためにスンナに則った目覚めの時のズィクルに次のようなものがあるのです。

「私たちを死なせた後に生き返らせ、また死後、かれのもとに私たちを復活させるお方アッラーに称えあれ。」(アルブハーリーの伝承)

私たちが毎日、意識的に、あるいは無意識の内に行う睡眠という行為においてもスンナに則った礼儀作法があります。
以下にそれらを挙げていきますので、自分の毎日の睡眠、またはその前後の習慣と比べ、良い習慣を身につけ、そうでないことは避けるようにしましょう。

1−夜更かしを避け、早く眠るようにしましょう。

これは睡眠に関する重要なスンナの1つです。

「預言者はイシャー前の睡眠と、イシャー後の会話を厭われました。」(アッティルミズィーの伝承)

つまり、イシャーの礼拝後はすぐに眠ることが奨励され、イシャー後に不必要に夜更かしすることは嫌われたということです。

早く眠るようにするには早めに夕食をとることも必要となりますね。
また早く眠ることによって十分な睡眠時間を得ることができ、ファジュルのサラーはもちろん、奨励されているタハッジュドのサラー(イシャー後〜ファジュル前にかけて、一度眠った後に起きて行う任意のサラー)も行うことができるようになるでしょう。

至高のアッラーは仰られました。
『彼らの体が臥床を離れると、畏れと希望を抱いて主に祈り…』(32:16)

2−眠る前にウドゥーをしましょう。

アッラーの使徒(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は次のように仰られました:「横になる時にはサラーのためのウドゥーをしなさい。」(ムスリムの伝承)

ウドゥーをすることによってタハーラの状態で眠ることが奨励されています。

3−眠る前に1日を振り返り、反省の時間を持ち、イスティグファールをしましょう。

アブー・サイード・アルフドリーによると預言者(彼にアッラーの祝福と平安あれ)は次のように仰りました:「床に就く時に『私は、かれの他に真に崇拝すべきものはなく、永生し自存される御方アッラーに罪の赦しを請います。』と言う者には、アッラーはたとえその者の罪が海の泡のように多かったとしてもその罪を赦してくださるだろう。」(アッティルミズィーの伝承)

4−アウラを覆う服装で眠るようにしましょう。

またできれば異性の兄弟姉妹とは別の部屋で、また兄弟姉妹であっても1人1枚の掛け布団を使って眠るようにしましょう。

5−右半身を下にして眠るようにしましょう。

眠った後に寝返りを打つことは問題ありませんが、特に就寝時にうつ伏せになって眠ることのないようにしましょう。

6−就寝時のズィクルを唱えてから眠りましょう。

スンナに則った就寝時のズィクルを幾つか紹介しましょう。

●(ドゥアーの時にするように)両手を合わせ、そこに息を吹きかけ、クルアーンの112章、113章、114章を読みます。それから頭・顔・そこから近い部分から始め、出来る限りの体の部分をその両手で撫でるようにします。これを3回繰り返します。

●アーヤトゥルクルスィー(2:225)を読みます。

●「ビスミカ ラッビー ワダァトゥ ジャンビー、ワ ビカ アルファウフ。ファ イン アムサクタ ナフスィー ファルハムハー。ワ イン アルサルタハー ファハファズハー、ビマー タハファズ ビヒ イバーダカッサーリヒーン。(私の主であるあなたの御名において、私は体を横たえました。そしてあなたによって起き上がります。ですから、もしあなたが私の魂を(引き続きこの世に)留め置くというのなら、それにお慈悲をおかけ下さい。そしてもしそれを(再び目覚めさせることなく)旅立たせるというのなら、あなたの敬虔なしもべたちを守るところのものでもって、それをお守り下さい。)」と唱えます。

●「ビスミカッラーフンマ アムートゥ ワ アハヤー。(アッラーよ、あなたの御名において私は死に、そして生きます。)」と唱えます。

7−夜中に目覚めたり、寝返りを打つ時にはドゥアーを言いましょう。

「ラー イラーハ イッラッラーフルワーヒドゥルカッハール、ラッブッサマーワーティ ワルアルディ ワ マー バイナフマルアズィーズルガッファール。(唯一者で支配者であるアッラーの他に神はありません。天地とその間にあるものの主、威光高く許し深いお方よ。)」

8−睡眠時に怖くなったり寂しくなったりした時にはドゥアーをしましょう。

「アウーズ ビカリマーティッラーヒッターンマーティ ミン ガダビヒ ワ イカービヒ。ワ シャッリ イバーディヒ。ワ ミン ハマザーティッシャヤーティーニ ワ アン ヤハドゥルーン。(私はアッラーの完璧な御言葉をもって、彼の怒り、懲罰、彼のしもべのもたらす悪、シャイターンの囁き、そしてシャイターンが私のもとへやって来ることからのご加護を求めます。)」

9−怖い夢や嫌な夢を見た時には誰にもそれを話さないようにしましょう。

そして左側に3回唾を吐き「アウーズ ビッラーヒ ミナッシャイターニッラジーム。(呪われるべきシャイターンからアッラーの御加護を求めます。)」と言い、逆の方向を向いて眠るようにしましょう。
またウドゥーをし、サラーを行ってもよいでしょう。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ
『ヒスヌルムスリム』サイード・ブン・アリー・ブン・ワハブ・アルカハターニー
『幼児期の子供の教育におけるムスリムの父親の責任』アドナーン・ハサン・サーリフ・バーハーリス著

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