2010年11月21日

子供のためのイスラームの礼儀作法(20)金曜合同礼拝に関する礼儀作法

ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)。

金曜日は、イスラームにおいてとても重要で偉大な日とされています。

クルアーンの中にも「アルジュムア章(金曜合同礼拝章)」という名前の章があり、その中にはこの祝福された金曜日の最も重要なイバーダである「金曜合同礼拝の規定」が明示されています。

そして、預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)のハディースにも、金曜日の価値やその日のムスリムの行いを説明するものが収録されています。

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「アッラーの御許での日々の長は金曜日である。その日はアンナフルとアルフィトルの日(犠牲祭とラマダーン明けの祭日)よりも偉大であり、そこには5つの特徴があるのだ。その日にアーダムが創造され、その日に彼が天国から地上へと追放され、その日に彼がなくなり、その日にはしもべがアッラーに罪や親類との縁切り以外の願いを請うと必ず応えて下さる時があり、またその日に審判の日が起こるのである…」(アルブハーリーの伝承)

アッラーはこの日をムスリムにとって特別な日とし、1週間のうちのイードとされました。
そしてその日には金曜合同礼拝・金曜日の説教が義務付けられました。また、ムスリム達gが心を合わせ、彼らの言葉を1つにし、無知な者に教育を施し、そして不注意な者に気付かせるため、現世における様々な行為や仕事で費やした1週間の後に金曜合同礼拝へと馳せ参じるように命じたのです。またそれと同時に、金曜合同礼拝の時間帯に現世に現を抜かしたり、また金曜合同礼拝への呼びかけがあった時に正当な理由も無くそれに背く要因となることを行なったりすることを禁じられたのです。

そして、無事に金曜合同礼拝を行なえたのであれば、それは過去の1週間の罪滅ぼしとなるのです。

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「5回の義務の礼拝、金曜日から金曜日まで、ラマダーンからラマダーンまで、大罪を避けたのであれば、それらはそれぞれの間の罪滅ぼしとなる。」(ムスリムの伝承)

逆に正当な理由なしに金曜合同礼拝を怠ける者に対しては厳しい罰が約束されています。

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「正当な理由無く金曜合同礼拝を怠る者は、アッラーがその者の心を封じられるであろう。」(アハマドの伝承)

現代、ある種のムスリムはイスラームの諸義務を忘れていますが、その義務の1つが金曜日の義務です。これらの人々は金曜日を単なる1週間における休日、または仕事の後の休息日で、遊びや無駄話に耽り、ピクニック・遊園地に行き、美味しい物を飲み食いし、欲望に耽るのみの日だと見なしています。

至高のアッラーは“ユダヤ教徒たちに土曜日に働くことを禁じ、イバーダのためにその日を空けるようにと命じたこと、そして彼らが策を練り、アッラーの命に背き、アッラーが彼らに怒りを下し、呪い、彼らの一部を猿と豚たちにしたこと”をクルアーンの中で私たちにお伝えになりました。

至高のアッラーは仰られました:
『そして海岸の町(の人々)について彼らに尋ねよ。彼らが安息日の禁を破った時のことを。魚群は安息日にはそこにやって来て、安息日でない日にはそこにこなかったのである。このように彼らが掟に反したことでもってわれらは彼らを試みるのである。彼らの一部の者たちは「厳しい罰でもってアッラーが滅ぼそうとしている者たちに何故訓戒を垂れるのか?」と言った。別の者たちは言った:「あなた方の主に赦しを請うためである。それにおそらく彼らはアッラーを畏れるだろうから。」そこで彼らが訓戒を忘れた時にわれらは悪を禁じた者たちを救い、掟に反した不義の者たちを厳しい罰で捕らえた。そして彼らが傲慢に禁じられたことを犯した時、われらは彼らに「蔑まれる猿になれ。」と言った。』(7:163-166)

それでは以下に、この祝福された金曜日を過ごす時の幾つかのマナーを紹介しましょう。

1−金曜日を迎える準備をしましょう。

木曜日の夜から金曜合同礼拝に行くための清潔な服(洗濯・アイロンがけなど)や香水(注:男性のみ)を準備し、現世の様々な煩い事を心から取り除き、タウバとイスティグファールを行ないましょう。

それから木曜日の夜は、なるべくズィクル・クルアーン読誦・キヤーム(夜の任意の礼拝)などのイバーダに費やすようにし、翌日早めにモスクへと行くことを決意しましょう。

2−金曜合同礼拝に行く前のグスルをしましょう。

金曜合同礼拝に行く前にグスルをすることはスンナです。
グスルの時間は金曜日のファジュルの礼拝後〜金曜合同礼拝への呼びかけがあるまでです。

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「金曜日のグスルは全ての成人男性の義務である。」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

3−身だしなみを整えましょう。

脱毛・爪を切ること・スィワークをして清潔に、香をつける・最もよい服を着るなどして身だしなみを整えましょう。

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「金曜日に体を洗い、出来る限りの浄めを行い、体に油を塗り、家にある香水をつけた後、早めにモスクに行き、人々の間に割り込む事無く所定の礼拝を行い、イマームが語る時は沈黙を守る者、このような人には、この金曜日と次の金曜日の間に彼が犯す全ての罪が赦されるであろう。」(アルブハーリーの伝承)

4−早めにモスクに着くようにしましょう。

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「金曜日が来ると天使達はモスクの戸のところに立って、1番目、2番目、3番目…と次々に来る者の名を帳簿に書き入れる。真っ先にモスクへと向かう者はあたかも駱駝を捧げる人のようであり、次は雌牛を捧げる人のようであり、次は羊を捧げる人のようであり、次は鶏を捧げる人のようであり、次は卵を捧げる人のようである。そしてイマームが現れると、天使達は帳簿を閉じ、ズィクルに耳を傾ける。」(アルブハーリーの伝承)

5−モスクに入る時のマナーを守りましょう。

イマームの説教を良く聴くためになるべくイマームの近くに座りましょう。
しかし人々の間に分け入ることなく、列の切れ目、空いている所に座りましょう。

6−イマームの説教に耳を傾け、内容を良く理解し、説教から学んだことを実践するようにしましょう。

日本の多くのモスクでは、説教(またはその訳)が二ヶ国語以上で行なわれています。
たとえ自分が理解できない言語であっても、お喋りする事無く、静かにしていましょう。

日本のように、通常なかなかムスリム同士が会えない環境にいると、どうしても説教中に近況を尋ねあったりしているムスリム(特に女性たち)を目にします。ムスリム同胞がお互いの安否を気遣うことなどは奨励されることですが、説教中は「静かに!」という言葉でさえ無駄口と見なされます。挨拶、その他の必要なお喋りは金曜合同礼拝後に行なうようにしましょう。またその際、スンナの礼拝をしている同胞の迷惑にならないようにしましょう。

7−金曜日には特に善行に励みましょう。

預言者への祝福祈願、サラー、サダカ、宣教行為、その他のイバーダに励みましょう。
またクルアーン読誦に励みましょう。
特に「アルカハフ(洞窟)章」を読むことはスンナです。

8−金曜日1日だけサウムしないようにしましょう。

金曜日にサウムしたい時にはその前の木曜日、あるいはその後の土曜日と2日続けてサウムするようにしましょう。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ
『ハディースTイスラーム伝承集成』牧野信也訳

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2010年11月20日

子供のためのイスラームの礼儀作法(19)ドゥアーに関する礼儀作法

ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)。

至高のアッラーは仰られました:
『そしてわがしもべたちがわれについてあなたに尋ねたら、(こう言うがよい):「実にわれは(あなたの)近いところにおり、われを呼ぶ者のドゥアーに応えよう。ゆえにわれに乞わせ、われを信仰させよ。あなた方は正しく導かれることであろう。」。』(2:186)

また、至高のアッラーは、しもべたちの望みを聞き、彼らのドゥアーに応えて下さるという寛大さについて次のようにも仰られました:
『そしてあなた方の主は仰った:「われにドゥアーせよ。そうすればわれはあなた方に応じよう。われのイバーダ(崇拝行為)において不遜な者たちこそは、惨めな形で地獄の業火に入ることになろう。」』(40:60)

逆に、アッラーへのドゥアーを忘れ、へりくだる事をせず、アッラーに助けを求めることを避けるしもべたちには次のように警告されました:
『言ってやるがいい:「もしあなた方が私の主に祈らないのであれば、かれはあなた方を気にかけてはくださらないだろう…」』(25:77)

「ドゥアー(祈願)」は、アッラーのみに捧げられるべき崇拝行為の1つで、様々な崇拝行為の真髄とも言えるものです。

クルアーンの中にも数多くのドゥアーが述べられていますので、その一部を紹介します。

至高のアッラーはこう仰られました:

『「私たちの主よ、私たちは信仰に入りました。それで私たちを(あなたの唯一性と、使徒の預言者性を証言する)証言者たちと共に書き留めて下さい。」』(5:83)

『「私たちの主よ、私たちと信仰において私たちに先駆けた私たちの同胞をお赦し下さい。そして信仰する者たちに対し、私たちの心の中に憎しみを植えつけたりしないで下さい。私たちの主よ、あなたは実に哀れみ深く、慈悲深いお方です。」』(59:10)

『彼らは立ち、座り、横になってアッラーをズィクル(唱念)し、天地の創造に思いを馳せてこう言う:「私たちの主よ、あなたはこれら(の創造)をいたずらにお創りになったのではありません。(そのような無益さや落ち度から)遥かに崇高なお方よ。私たちを地獄の業火の懲罰から、お救い下さい。私たちの主よ、あなたは地獄の業火に放り込まれた者を実に辱められます。実に(真理に対して)不正を働いていた者たちには、(その日)援助者はありません。私たちの主よ、私たちはイーマーンへといざなう者が“あなた方の主を信ぜよ”と呼ぶ声を聞き、信仰に入りました。私たちの主よ、それゆえ私たちの罪を赦し、私たちの悪行を覆い隠して下さい。そして私たちを、善行を極めた者たちと共にお召し下さい。私たちの主よ、そしてあなたがあなたの使徒たち(への信仰)において約束されたものを、私たちにお授け下さい。そして審判の日に、私たちを辱めないで下さい。実にあなたは決して約束を違えたりすることのないお方です。」(3:191−194)

預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)のハディースの中でも数多くのドゥアーが伝承されていますので、それらの一部を紹介します。

「アッラーよ、私たちの主よ、あなたに全ての称賛あれ。あなたは天地を司られ、維持されるお方。あなたに全ての称賛あれ。あなたは天地とそこにあるものの全ての主。あなたに全ての称賛あれ。あなたは天地とそこにあるものの光。あなたは真理で、その御言葉は真理です。そしてあなたのお約束は真理で、あなたとの謁見も真理です。天国は真理であり、地獄も真理であり、審判の日も真理です。アッラーよ、私はあなたに服従しました。あなたを信仰しました。そしてあなたにタワックル(全てを委ねること)し、あなたによって議論し、あなたにこそ裁決を求めます。ゆえに既に私が犯し、またこれから犯す過ちをお赦し下さい。私が密かに犯し、また露わに犯した過ちをお赦し下さい。また私自身よりもあなたが良くご存知である過ちをお赦し下さい。あなたの他に真に崇拝すべきお方はありません。」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

「アッラーよ、私の諸事の守護であるところの、私の宗教を正して下さい。そして私の暮らしがそこにあるところの、私の現世を正して下さい。そして私の還り所がそこにあるところの、私の来世を正して下さい。そして私にとって生をあらゆる善において豊かなものとし、私にとって死をあらゆる悪から安らかなものとして下さい。」(ムスリムの伝承)

ドゥアーを行なう時には以下のことに注意して行なうようにしましょう。

1−ウドゥーをした状態で、キブラの方角に向かい、膝を揃えて(正座の状態で)、両手を上げ、掌を上に向け、小声でドゥアーしましょう。

2−どんなに大きなことに関しても、どんなに小さなことに関しても、アッラーにのみドゥアーを捧げ、そのドゥアーを祈り続けましょう。

1度切り、あるいは数回限りのドゥアーするのではなく、機会あるごとにそのドゥアーを捧げるようにしましょう。

3−その願いがどんなに大きくても、実現するのがどんなに難しそうなことでも、「アッラーは必ずそのドゥアーを聞き入れて下さる」という確信をもってドゥアーするようにしましょう。

預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言われました:「あなた方は、アッラーに対して『おおアッラーよ、もしもあなたがそう願うなら私をお許し下さい』『おおアッラーよ、もしあなたがそう願うなら私に慈悲を下さい』などと言ってはならない。祈願は、受け入れられるという信念をもって祈られねばならない。なぜならアッラーは、望むままに何事であれなされる御方であり、あれこれをするよう、アッラーに強制できる者はいないからである。」(ムスリムの伝承)

4−まずアッラーを讃え、預言者に対しての祝福祈願を唱えてから、唱えたいドゥアーを口にするようにしましょう。またドゥアーを唱え終える時にも、同様にしましょう。

5−自分、または他の人が唱えるドゥアーの後に「アーミーン」と唱えるようにしましょう。

6−他者に災いが訪れることを願うことはやめましょう。

7−早急にドゥアーが叶えられることを願ったり、すぐに叶えられなかったからといって諦めないようにしましょう。

ドゥアーは諸条件を満たしていれば、アッラーはそれを直ちに叶えて下さるかもしれません。あるいはアッラーはそのしもべが涙ながらに懇願することをお望みゆえにその実現を遅らせられるかもしれません。またもしかすると彼の願う物事よりも有益な代替物を与えて下さるかもしれません。試練そのものを解消して下さる代わりに、それを乗り越えるための何らかの手段を授けて下さるかもしれません。あるいは審判の日まで、彼の願い事を叶えて下さらない可能性もあります。とにかくアッラーこそがそのしもべにとって何が最も良いのかをご存知なのですから、私たちは焦るべきではありません。

至高のアッラーはこう仰られました:
『実にアッラーは物事を完遂されるお方。アッラーは全てのものに各々の分量や度合いを定められたのだ。』(65:3)

8−特に祝福された時間帯や時期、土地、モスクなどで行なうドゥアーのチャンスを逃さないようにしましょう。

たとえばファジュルの前の時間帯、金曜日、ラマダーン月、アラファの日、ズルヒッジャ月の最初の10日間などです。

9−困難な時や災難時だけではなく、安寧の時にもドゥアーを忘れないようにしましょう。

アッラーの使徒は言われました:「アッラーが困難や災難時に願いを叶えてくださる秘訣とは、安寧の時のドゥアーを数多く行なうことである。」(アッティルミズィーの伝承)

10−自分のことだけではなく、兄弟、家族、隣人、世界の同胞たちのためにもドゥアーをしましょう。

アッラーのみ使い(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言われました:「ムスリムが不在中の同胞のため加護を祈った場合、天使は必ずや“同じくあなたにも加護が下されるだろう”と告げるであろう」 (ムスリムの伝承)

11−ドゥアーの実現を阻む諸要素を避けるようにしましょう。

ドゥアーの内容自体が、アッラーがお望みになられないことを含んでいる場合などが挙げられます。また非合法な飲食物の摂取、怠慢さや不注意、心の罪の多さなどのドゥアー実現が妨げられる原因を避けるようにしましょう。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ
イスラムハウスHP  http://www.islamhouse.com/s/10447
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2010年11月19日

子供のためのイスラームの礼儀作法(18)モスクに関する礼儀作法

ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)。



モスクは至高なるアッラーの館です。
至高のアッラーを愛する者は、かれの館をも愛し、そこを何度も訪問することでしょう。

至高のアッラーは仰られました:
『本当にモスクは、アッラーのものである。だからアッラーと同位に配して他の誰にも祈ってはならない。』(72:18)

気前の良い者は自分の家を訪れる者たちに食事・安楽・プレゼントなど様々なものを提供するものですが、アッラーの館であるモスクを訪れる者には最も寛大なるお方による多くの贈り物が与えられます。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「モスクに、早朝もしくは夕方に出向いた者には、アッラーが天国において早朝もしくは夕方に、彼のための宴を用意して下さるでしょう」(ムスリムの伝承)

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「アッラーは現世の難儀に苦しむ同胞を救う者に対し、復活の日の苦難を彼から軽減して下さるであろう。またアッラーは苦しむ者たちの苦難を取り除く者のために、現世でも来世でも物事を容易にして下さるであろう。またアッラーは、ムスリムの過ちを隠してあばかぬ者に対しては、現世でも来世でも彼の過ちを隠してあばかれることはないであろう。またアッラーはしもべがその同胞を支え助ける限り、そのしもべを助け支えられるであろう。またアッラーは、知識を求めて道を歩む者には、彼が天国に至れるようにその道を容易になされるであろう。アッラーの館(モスク)の一つに集まり、アッラーの啓典を誦み、互いに学び教え合う人たちの下には平安があり、慈悲が彼らを覆い、天使たちは彼らを取り囲むことであろう。そしてアッラーは、その囲りにはべる者たちの前で彼らについて語ることであろう。また善行に欠ける者には、家系の良し悪しに関係なく相応の場所が与えられるであろう」(ムスリムの伝承)

モスクはサラーをするためだけの場所ではありません。

モスクは、ムスリムが物質的な現世やそこにおける様々な心配事からひと時遠ざかり、慈悲深きアッラーや来世のことに思いを馳せる場所でもあり、また時にはズィクル(アッラーを念じること)やクルアーン読誦を行う場所でもあります。
また心の浄化のための導きやアドバイス、またイスラーム諸学を学ぶための勉強会などが開かれる場所でもあります。

ムスリム同胞との様々な集まりに利用されることもあるモスクですが、モスクを訪れる者は「自分はこれからアッラーの館を訪れるのだ」ということを思い出し、館の主であるアッラーの至高さと偉大さにふさわしい礼儀作法でもってそこを訪れるようにしましょう。

1−モスクを愛し、尊重しましょう。

モスクは、アッラーを念唱することやアッラーへのイバーダ(崇拝行為)、クルアーンの読誦やイスラームの教えの普及のために建てられた、至高のアッラーの館です。

至高のアッラーは仰りました:『アッラーの儀式を尊重する態度は、本当にアッラーを畏れる心から出てくるもの。』(22:32)

また、次のようにも仰りました:『取引や商売によって、アッラーの唱念とサラー(礼拝)の遵守、そしてザカー(浄財)の拠出をおろそかにしたりはしない者たち。彼らは心と眼がひっくり返されるその日(審判の日)のことを、恐れているのだ。』(24:37)

2−アッラーのご満悦を求め、モスクの建設とそれに関する経済的な援助や労働力の提供を積極的に行いましょう。

3−たとえモスクが自宅から遠くとも、そこに普段から行くようにしましょう。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「集団礼拝で最大の報酬を受ける者は人々の内で(モスクから)より遠くに住んでいる人であり、その遠い道程を歩いてくる人である。またイマームと一緒に礼拝するまで待っている者は、一人で礼拝をしてそれから寝てしまう者よりもより一層の報酬を受ける。」(ムスリムの伝承)

ウバイユ・ビン・カアブは次のように伝えています。
「或る男がいたが、私は彼ほどモスクから遠くに住んでいる者を知らなかった。だが彼は決して集団での礼拝に遅れたことはなかった。それで彼は次のように言われた。或いは私が彼にこう言った。「もしあなたがロバを一頭買ったならば、あなたは真暗闇の中でも、また焼けつく熱砂の中でもそれに乗ることができるでしょうに」すると彼は次のように言った。「私は私の家がモスクのそばにあれば嬉しいとは思わない。私はモスクに歩いてゆくことにより、また自分の家族のもとに歩いて帰ることにより報酬が私に定められることを望むのだから。」
そこでアッラーの使徒はこう言った:「確かにアッラーは、そのような全ての報酬をあなたにお集め下さった。」(ムスリムの伝承)

4−モスクに行くための準備を怠らないようにしましょう。

タハーラ(清浄さ)・行き届いたウドゥー・スィワーク・清潔な服装・爪を切る・髪を整えるなど、モスクに行くための準備を怠らないようにしましょう。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:『家で身体を浄め、それからアッラーに対する義務の礼拝の一つを果すためにアッラーの家(モスク)の一つに出向く者の歩みには二歩ある。その一つは彼の罪を消し、もう一歩は天国でのアッラーからの報酬の階段を登らしめる。』(ムスリムの伝承)

5−モスクに入る時には、右足から入り、モスクに入る時のドゥアーを唱えましょう。

「アウーズ ビッラーヒルアズィーミ、ワ ビワジュヒヒルカリーミ、ワ スルターニヒルカディーミ、ミナッシャイターニッラジーム。ビスミッラーヒ、ワッサラートゥ ワッサラーム アラー ラスーリッラー。アッラーフンマフタフ リー アブワーバ ラハマティク。」(意味:私は偉大なるアッラーに、寛大なる御顔に、そして原初よりの彼の権威において、呪われるべきシャイターンからのご加護を与えて下さるよう求めます。アッラーの御名において、そしてアッラーの使徒に祝福と平安あれ。アッラーよ、あなたの慈悲の扉を私にお開き下さい。)と唱えましょう。

6−モスクから出る時は、左足から出て、モスクを出る時のドゥアーを唱えましょう。

「ビスミッラーヒ ワッサラートゥ ワッサラーム アラー ラスーリッラー。アッラーフンマ インニー アスアルカ ミン ファドゥリク。アッラーフンマァスィムニー ミナッシャイターニッラジーム。」(意味:アッラーの御名において、アッラーの使徒に祝福と平安がありますように。アッラーよ、私にあなたの恩恵をお与え下さい。アッラーよ、私を呪われるべき悪魔からお守り下さい。)と唱えましょう。

7−タヒーヤトゥルマスジド(モスクに入った時に行う2ラカートのサラー)を行いましょう。

モスクに入った時は、座る前にまずタヒーヤトゥルマスジドを行いましょう。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:『あなた方の誰かがモスクに入った時は、2ラカートのサラーを行うまで座ってはならない。』(アルブハーリーとムスリムの伝承)

8−モスクのドアの開け閉めは静かに行い、靴についた汚れなどはモスクに入る前に落とし、モスクを汚さないようにしましょう。土足でモスクに入らないようにしましょう。

自分の家の清潔を保つこと以上にモスクを清潔を保つように心がけましょう。

9−モスクに入る時には、ニンニク、ネギ、玉ねぎ、その他匂いの強い食べ物を食べるのを避けましょう。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「この臭いを出す野菜(ニンニク)を食べた者は(また或る時はこう言った。玉ネギやニンニクやニラを食べた者は)私達のモスクに近づいてはならない。なぜならば天使達もまたアダムの子孫が害されるものによって同様に害されるからである。」 (ムスリムの伝承)


10−不浄のものや不衛生なものでモスクを汚さないようにしましょう。

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「モスクで唾を吐くことは罪である。その償いはそれを土中に埋めることです。」(ムスリムの伝承)

アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「これらのモスクは、放尿や排泄の場所ではない。ただ、アッラーを念じ、礼拝を行い、クルアーンを朗唱するための場所なのです。」(ムスリムの伝承)

11−モスクの中で遊んだりふざけたり走り回らないようにしましょう。また無駄話をしたり大声をあげたりしないようにしましょう。

たとえクルアーンの読誦のためであってもサラーやズィクル、勉強をしている人たちの邪魔になるような大声を出すことは避けましょう。

アッサーイブ・ビン・ヤズィードは言いました:「私がモスクにいた時、注意を引こうと私に小石を投げた者がいた。見ると、それはウマル・ビン・アルハッターブで、彼は言った:『行ってあの二人の男たちを連れてくるのだ。』そこで私が二人を連れてくるとウマルは言った:『あなた方はどこから来たのか?』すると彼らは「私たちはターイフの者だ。」と言った。するとウマルは言った:『もしあなた方がこの町の者であったならば、私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)のモスクで声を張り上げているあなた方を罰しただろう。』(アルブハーリーの伝承)

12−モスクの中で言い争ったり、現世のことや売買のことをに現を抜かしたり、またモスクの中で言及されるに相応しくないような意味を含む詩などを唱えないようにしましょう。

13−女性はモスクに赴く時に香水をつけたりしないようにしましょう。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ
『サヒーフ・ムスリム』日本ムスリム協会
『ハディースT』牧野信也訳
『ヒスヌルムスリム』サイード・ブン・アリー・ブン・ワハフ・アル=カハターニー


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