2011年02月18日

カイス・ブン・サアド・ブン・ウバーダ(彼ら2人にアッラーのご満悦あれ)

カイスの父、サアド・ブン・ウバーダはアル=マディーナのハズラズ族の有士でいち早くイスラームに入信した預言者(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の教友の1人であり、アカバ協定にも参加、後も預言者の側近の1人として生きた。

さて、カイスの仲間たちはカイスについて次のような伝承を残している。

彼らは言った:

「アッラーの使徒(彼にアッラーの祝福と平安あれ)はアブー・ウバイダ・ブン・アル=ジャッラーフを、ムハージルーンとアンサールからなる300人のサリーヤ(注:1)のリーダーとして派遣した。そしてその中にカイス・ブン・サアド・ブン・ウバーダもいた。

彼らを厳しい食糧難が襲った。

そこでカイス・ブン・サアドは言った:

“私のデーツをラクダで買う者はいませんか?私はアル=マディーナでデーツをその者に渡すので、ここで私にラクダを与えてくれる者はいませんか?”

するとウマル・ブン・アル=ハッターブは言った:

“この少年はなんと驚くべきか?自分に財産がないのに他人の財産を借りるとは?”

すると彼の求める物を与えるジュハイナ族の男が進み出て言った:

“アッラーに誓って、お前のことを私は知らない。お前はいったい何者なのだ?”

カイスは言った:

“私はカイス・ブン・サアド・ブン・ウバーダです。”

するとジュハイナ族の男は言った:

“お前の血筋のなんと有名なことだろう。”


そこで彼は、カイスに1頭につき2ワスク(注:2)のデーツで5頭のラクダを売り、言った:

“証人を連れて来てくれ。”

そこでカイスは言った:

“あなたの望む人に証言させて下さい。”

彼が証言を求めた人の中にウマル・ブン・アル=ハッターブがいたが、彼は言った:

“この借金による売買に関して、私は証言しない。彼には財産がない。その財産は彼の父親のものだ。”

すると、ジュハイナ族の男は言った:

“アッラーに誓って、サアドはほんの一握りのデーツ(注:3)において息子を非難する男ではない。彼は人格の優れた、また高貴な振る舞いの持ち主だと私は思っている。”

そしてカイスはラクダを手に入れ、そして3箇所においてラクダを屠った。

毎日1頭のラクダを屠ったが、4日目に彼のリーダーであったアブー・ウバイダが禁じて言った:

“お前には財産が無いのにお前の抵当を損失させたいのか?”

するとカイスは言った:

“アブー・ウバイダよ、人々の借金を支払い、貧窮者を助け、貧しい人々に食事を施すアブー・サービト(つまり自分の父親)が、崇高なるアッラーの道の戦士達のためのほんの一握りのデーツという私の借金を支払わないと思うのですか?”

サアドのもとに彼らを襲った食糧難の知らせが届くと、彼は言った:

“私の知るとおりカイスがそこにいるならば、彼が戦士達のためにラクダを屠るだろう。”

そしてカイスが戻った時、サアドは彼に会うと、こう言った:

“派遣軍を襲った食糧難の時に、お前は何をしたのか?”

(カイスは)言った:

“彼らのためにラクダを屠りました。”

(サアドは)言った:

“正しい。それからどうした?”

(カイスは)言った:

“ラクダを屠りました。”

(サアドは)言った:

“正しい。それからどうした?”

(カイスは)言った:

“またラクダを屠りました。”

(サアドは)言った:

“正しい。それからどうした?” 

(カイスは)言った:

“禁じられました。”

(サアドは)言った:

“いったい誰がお前に禁じたのだ?”

(カイスは)言った:

“アブー・ウバイダ、私のリーダーです。”

(サアドは)言った:

“それは何故だ?”

(カイスは)言った:

“彼は、私には財産はなく、その財産はあなた(サアド)の物だと主張しました。そこで、私は、父は他人の借金を支払ってやり、貧窮者を助け、貧しい人々に食事を施すのに、それらを私の為にはしてくれないと思うのですか?と言いました。”

(サアドは)言った:

“お前に4つの(デーツの)農園をやろう。”

そしてサアドは、そのことをカイスのために文書として書き、アブー・ウバイダのところへ文書を持ってやって来た。

そしてアブー・ウバイダはその農園について、最も小さい農園で50ワスクのデーツがあることを証言した。

そしてカイスと共にジュハイナ族の男がやって来たので、カイスはその男の取り分を渡した。

するとジュハイナ族の男はサアドに言った:

“アブー・サービト(注:4)よ、アッラーに誓って、あなたの息子のような者はあなたを失わせず、またあなたを一文無しにさせることもないだろう。あなたの息子はその民の有士の中の有士だ。リーダーは私に彼との売買を禁じ、彼には財産がないと言った。だが、あなたの息子だと知った時、私は彼を知った。あなたが気高く偉大な人格者であることを知っているので、私は彼との売買を承諾した。”

そして預言者(彼にアッラーの祝福と平安あれ)のもとにカイスの行いの知らせが届くと彼は言った:

“彼は寛大な者の家で育ったのだ。”

カイスはムアーウィヤ(彼にアッラーのご満悦あれ)の治世の終わりにアル=マディーナで亡くなった。




注:1  預言者が送った派遣軍のこと。
注:2  1ワスクは預言者の時代の60サーア、ヒジャーズ地方では320リットルの分量を指す。
注:3  2ワスクという分量は決して少量ではないが、カイスは父サアドの財産の多さと寛大さを背景にこのように言ったと思われる。
注:4  サアドのこと。
posted by ターリブルイルム at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 月1の勉強会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック