2010年11月14日

子供のためのイスラームの礼儀作法(6)衣服

ビスミッラーヒッラハマーニッラヒーム(慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において)。

今回は「衣服」について学んでいきましょう。

「衣服」は、私たち人間に特別に与えられた至高のアッラーの恩恵の1つです。
私たちは衣服によって暑さや寒さ、強い陽射しや雨などの自然現象から身を守ります。
また衣服によってアウラ(恥部:ムスリムが理由なく見てはいけない、あるいは見せてはならない体の部位)を隠し、尊厳を守り、生活を彩ります。

至高なるお方は仰りました:
『(アッラーは)あなたがたのために衣服を暑熱から身を守るものとし、鎧を攻撃から身を守るものとされた。このように(アッラーが)かれの恩恵を成し遂げられるのは、あなたがたが帰依するためである。』(アンナフル章16:81)

至高のアッラーは人間に色々な形の衣服の製法を教え、それによってアウラを隠し、人生において直面する事柄から身を守るよう命じ、預言者ダーウードについて次のように仰られました:
『またわれらは、あなた方が攻撃から身を守るために、彼に鎖帷子を作る術を教えた。それでもあなた方は感謝しないのか?』(アルアンビヤーゥ章21:80)

今日私たちムスリムは衣服を脱ぎ、アウラを顕わにするよう呼びかける、新たな無明時代の迷いの旋風のさ中にいます。それは人間をみにくい形に変え、無知な動物のレベルへと後退させてしまおうとしているのです。

そして男女問わず、覆うべき肌を顕わにし、それらの服を身に付けることによってアウラを隠すどころかいっそう顕わにし、人々の欲望を掻き立てるような服が街中に溢れています。

預言者(彼に祝福と平安あれ)は言いました:「地獄に落ちる人たちの中には、私が目にすることのなかった2種類の人々がいる。つまり牛の尾のような鞭を持ち、それで人々を打つ者たちと、体のある部分が顕わになる衣服を身につけて自らと他人を悪事へといざなう女性たちである。そして彼女たちの頭は、さながら美しいラクダのこぶのように飾り付けられ盛り上っている。彼らは天国に入ることもなければ、その芳香すら嗅ぐこともない。その芳香はしかじかの遠い距離から漂ってくるにも関わらず、である。」(ムスリムとアハマドの伝承)

以下は衣服に関するイスラームの礼儀作法です。
すでに身に付けている礼儀作法については「ニーヤ(意図)」を新たにし、アッラーに感謝しましょう。まだ身に付けていないことについては実行できるように努力しましょう。慈悲深いアッラーのお悦びと、かれの預言者(彼に祝福と平安あれ)の満足を得られるように、これらの礼儀作法を学び実践できますようにとの日々のドゥアーを忘れないようにしましょう。

1‐衣服を着替える時には他の行為と同様にバスマラ(「ビスミッラー(アッラーの御名において)」と言うこと)を唱えましょう。

2‐衣服を着る際に、「服の美しさを自慢したり、人に見せるためではなく、アウラを隠すようにという至高のアッラーのご命令に従うために服を着ます。」という「ニーヤ(意図)」を持ちましょう。

至高なるお方は仰りました:
『アーダムの子孫よ、われはあなた方にアウラを隠すために、またそれによって着飾るために衣服を授けた。だが篤信の服(篤信を身に付けること)こそ最も良いことなのだ。それはアッラーの印であり、おそらく彼らは(アッラーのしもべに対する偉大さ・慈悲深さを)思い出すだろう。』(アルアアラーフ章7:26)

3−預言者(彼に祝福と平安あれ)が口にしていたドゥアーを唱えましょう。

預言者(彼に祝福と平安あれ)は服を着る時には次のように仰られました:「アルハムドゥリッラーヒッラズィー カサーニー ハーザ(ッサウバ) ワ ラザカニーヒ ミン ガイリ ハウリン ミンニー ワ ラー クウワ(無力な私にこの服を着させ、恵み与えて下さったアッラーに讃えあれ)。」(アンナサーイー以外のスナン著者による伝承)

また新しい服を着た時には次のように仰られました:「アッラーフンマ ラカルハムドゥ アンタ カサウタニーヒ アスアルカ ミン ハイリヒ ワ ハイリ マー スニア ラフ。ワ アウーズ ビカ ミン シャッリヒ ワ シャッリ マ スニア ラフ(アッラーよ、全ての讃美はあなたにこそあれ。あなたこそが私にそれを着せて下さいました。そこにある良きものと、それによって得られる良きものを与えて下さいますように。そしてあなたにそこにある悪しきものと、それによって得られる悪しきものからのご加護を求めます)。」(アブー・ダーウードとアッティルミズィー、アルバガウィーによる伝承)

また新しい服を着た人には次のように仰られました:「トゥブリー ワ ユフリフッラーフ タアーラー((その服が)着古され、その後更にアッラーが新しい物を与えて下さいますよう)。」(アブー・ダーウードによる伝承)

また次のようにも仰られました:「イルビス ジャディーダン、ワ イシュ ハミーダン、ワ ムトゥ シャヒーダー(新しい物を着なさい。誉れ高く生きなさい。殉教者として死になさい)。」(イブン・マージャによる伝承)

4−あまりに高価なものや派手な物、あるいは粗末な物ではなく、ほどほどの服を身に付けましょう。

5−その服を着た状態でのイバーダ(崇拝行為)が正しく受け入れられるものになるように、服の清潔さとタハーラ(清浄さ)を確認しましょう。

ムウミン(信仰する人)は体と服が清浄であるものです。

至高なるお方は仰りました:
『またあなたの衣服を清浄に保ちなさい。』(アルムッダッスィル章74:4)

6−衣服を自慢したり、男性は高慢さから地面を引きずるほどに裾を長くするのを避けましょう。地面から少し裾が離れている方がより敬虔で、より清潔で、より長持ちします。

アブー・フライラによるとアッラーの使徒は仰られました:「アッラーは審判の日、尊大にイザール(ズボンなどの下半身を覆う衣服)を引きずる者をご覧になられない。」(アルブハーリーとムスリムの伝承)

7−服が破れたり、穴が開いた時にはそれらを直し、破れたり穴が開いたままの服を着ないようにしましょう。預言者(彼に祝福と平安あれ)はご自身で服を繕い、サンダルを直したものでした。

サハル・ブン・アルハンザリーヤ(アッラーが彼に満足されますように)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)から次のように聞きました:「あなた方はあなた方の同胞のもとに行くのです。だからあなた方の(家畜などの)乗り物を整え、あなた方があたかも人々の間でも際立った者たちであるかのように身だしなみを整えなさい。まことにアッラーは下品なものも、あえて下品にするものもお好みになられない。」(アブー・ダーウードの伝承)

8−服に腕や足を通したり靴や靴下を履く時には右手・右足から、脱ぐ時には左手・左足から脱ぎましょう。

アーイシャ(アッラーが彼女に満足されますように)は言いました:「アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)は全てのことにおいて右から行うことを好まれた。ウドゥーと髪を梳かすことにおいても。」(アルブハーリーの伝承)

9−服を着る前や靴下・靴を履く前には害虫がそこにいないことを確認するためにそれらを振り払うようにしましょう。

10−脱いだ服はたたみ、服を置いたり掛けたりする時にアッラーの御名を唱えましょう。服や靴を脱ぎっぱなしにしないようにしましょう。

預言者(彼に祝福と平安あれ)は服を置く時には次のように仰られていました:「ビスミッラー(アッラーの御名において)。」(アッティルミズィーの伝承)

11−身に付けている服や靴・靴下が清潔であるように心がけましょう。特に汗をかきやすい夏は気をつけましょう。

12−シャツや上着の袖は手首までの長さのある物を身に付けるのが良いとされています。

アスマー・ビント・ヤズィード(アッラーが彼女に満足されますように)は言いました:「アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)の(服の)袖は、手首までありました。」(アッティルミズィーとアブー・ダーウードの伝承)

13−男性は絹製の服や金を身に付けないようにしましょう。

アブー・ムーサー(アッラーが彼に満足されますように)によると、アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)は仰りました:「絹と金を身に付ける事は私のウンマの男たちには禁じられ、女性たちには許された。」(アッティルミズィーの伝承)

14−男性は女性の服装を真似ないように、女性は男性の服装を真似ないようにしましょう。特に男性は着ている人を女性っぽく見せる刺繍や飾りつけ、色の服を着るのを避けましょう。

アブー・フライラ(アッラーが彼に満足されますように)は言いました:アッラーの使徒(彼に祝福と平安あれ)は仰りました:「アッラーは女の服を着る男と男の服を着る女を呪われた。」(アブー・ダーウードの伝承)

15−男女共に体の線をはっきりと現すような服や透けた服を着るのを避け、アウラを隠し着心地の良い服を選ぶようにしましょう。特に女性はそれを見せるのを禁じられた男性の前で着飾ったりアウラとなる部分をみせたりしてはいけません。

参考文献:
『青少年のためのイスラームの礼儀作法』Dr.ムハンマド・ハイル・ファーティマ著
『幼児期の子供の教育におけるムスリムの父親の責任』アドナーン・ハサン・サーリフ・バーハーリス著
『ヒスヌルムスリム』サイード・ブン・アリー・ブン・ワハブ・アルカハターニー著
『日訳 サヒーフ ムスリム 第3巻』(日本ムスリム協会)



posted by ターリブルイルム at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供のためのイスラームの礼儀作法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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